保護者の方は赤ちゃんの歯磨きを行っていると思います。念入りに磨いていたはずなのに、歯に穴が開いているのを見つけてしまった人もいるでしょう。しっかりと気をつけていても乳歯に虫歯はできてしまいます。なぜ、そのような状態になるのでしょうか？

本記事では乳歯の虫歯について解説いたします。

1.乳歯に虫歯ができる理由は磨き残し  

乳歯に虫歯ができる理由の多くは磨き残しにあります。丁寧に磨いているから磨き残しはないと考えている方もいるかもしれません。しかし、歯磨きを毎日丁寧に行っていても、歯と歯の間に食べカスが挟まっていたり汚れがあったりするケースは多いのです。

そこから虫歯は進行してしまいます。しかし、虫歯は急に穴が開くわけではありません。ある程度進行してから穴が開きます。それに気づかない理由は、奥歯と歯と歯の間のようなわかりづらい場所の汚れから虫歯が進行していくからです。

つまり、磨き残しに気をつけて歯磨きをすれば乳歯の虫歯のほとんどは防ぐことができます。歯ブラシでは歯間の汚れを取るのが難しいので、デンタルフロスなどを活用してください。

2.親が知っておくべき乳歯の虫歯の特徴

乳歯の虫歯はなるべく早く処置することが大切です。そこで重要なのは親が乳歯の虫歯の特徴について理解しておくことです。早めに虫歯に気づき、治療を行うようにしてください。

まずは乳歯の虫歯は黒ではなく白です。一般的な虫歯は黒色に繁殖していくのですが、乳歯の虫歯は白いため見た目では判断しづらいです。そして乳歯の虫歯は大人と比べて悪化するのが早いという特徴があります。

なぜなら、乳歯は非常に柔らかいからです。虫歯とは歯のエナメル質が溶けていく病気なのですが、硬ければ硬いほど溶けるのに時間がかかってしまいます。しかし、乳歯は柔らかいので溶けるのに時間はかかりません。そのため、乳歯の虫歯は急速に進行してしまうのです。

次に乳歯の虫歯は痛みが出にくいという特徴があります。なぜなら、子供の痛みの感覚が発達していないからです。痛みが出にくいというよりは、痛みに気づきづらいといった方が正しいかもしれません。

だからこそ、子供が痛みなどの不調を訴えていないのに、実は虫歯があったという事態が発生するのです。もちろん、痛みが出る場合もあります。しかし、すぐに引いてしまうことも多く、子供は虫歯だと気づけません。大切なのは歯磨きの際に、歯の細かな変化に気づくことです。

最後に知っておくべきことは、乳歯が虫歯になると神経に影響を及ぼすのが大人の虫歯と比べて早いという点です。神経にダメージを受けると、今後の健全な歯の成長に影響が出るのは間違いありません。

そのため、神経に影響が出る前に虫歯の処置をしなければいけないのですが、進行速度が早いのでうっかりしていると間に合わない可能性があります。だからこそ、毎日の歯磨きの際のチェックを大切にしなければいけないのです。

3.乳歯の虫歯の治療法

乳歯の虫歯の治療法は、初期段階であればフッ素を塗って対応します。フッ素を塗るだけでも再石灰化を促して、溶けたエナメル質を元に戻すことは可能です。非常に簡単な治療なので、できればこの段階で歯医者による治療を受けたいです。

少し症状が進むと、虫歯の部分をとってからプラスチックで詰めるという処置を行います。そのままの状態で放置していると、神経に影響が出てしまうので早めに取り除く必要があります。

最後に神経まで広がっている場合です。この場合は、根の治療を行わなくてはいけません。根の治療とは神経をとったり切断したりする治療です。神経を取り除いた乳歯は、永久歯と交換する際にうまく抜けないことがあるので、抜歯をしなければいけないケースもあります。

子供は基本的に歯医者さんが苦手です。フッ素を塗るだけで可能な治療であれば、さほど嫌がることもないでしょう。しかし、虫歯をとったり神経の処置を行ったりすると、子供の協力が得られない可能性も考えられます。そうならないために、毎日歯の状態をチェックして、早めに治療を受けさせることが大切なのです。

まとめ

いかがだったでしょうか？最後に乳歯の虫歯についてまとめます。

1. 乳歯に虫歯ができる主な理由は食べ残し。歯と歯の間にある食べ残しは気づかないケースも多いので、デンタルフロスなどを使って念入りに取り除くのが大切。
2. 乳歯の虫歯は進行が早く、すぐに神経にまで到達してしまう。神経に到達すると永久歯の成長に悪影響を与える可能性があるので、それまでに治療することが大切。
3. 乳歯の虫歯は初期段階であればフッ素塗布で対応可能。神経まで到達すると治療の規模も大きく、子供の負担も増えるのでそれまでに治療を進めるべき。

子供にとって歯医者さんは苦手なものです。歯医者さんが得意な子供は少ないでしょう。子供が歯医者さんに対して過剰は抵抗感を抱かないように、なるべく早く治療を受けさせることを大切にしてください。