いい治療は、良い相談から。 よく分かる歯科治療ガイド
「なるべくなら失敗したくない!」誰だって思うことは同じです。
ここでは歯医者さんに相談する前に知っておきたい、歯科治療の基本情報をご紹介します。
歯医者さんに教えてもらおう!一生の宝物「歯の健康」維持の秘訣とは
歯の健康を保つことは、身体全身の健康を保つことにつながるとご存知でしょうか?身体の小さな一部分ではありますが、一生つきあう大切な「歯」。歯の健康維持のコツなどをみていきましょう。
日本人の歯の寿命ってどのくらい?
80歳になる時に、なるべく自分の歯を20本以上保とうと推奨されていることはご存知ですか?健康的な食生活のために推奨されている数値です。しかし、現状では80歳の平均歯数は13.9本で、20本以上の歯を保っている人の割合は38.3%〔平成23年歯科疾患実態調査より〕と言われています。日本人の平均寿命が延びているように、歯の平均寿命も延びるようになると良いですね。
虫歯は「大人」に多いって本当?
日本人の永久歯の虫歯は、5歳から35歳未満では減少傾向にあります。一方、35歳以上になると虫歯保持者の確率は高まり、虫歯の保有経験者は98%を超えています。特に、虫歯の増加傾向が目立っているのは65歳以上の高齢者です。歯や口内環境に対する意識が高く、年齢を重ねても歯を保持している人が多くなった半面、手指の動きやお口の感覚など体の機能の低下によって歯磨きがうまくいかず、衛生状態が悪化して虫歯のリスクが高まってしまう状況があるようです。
子供は「初期虫歯」・大人は「歯の根の虫歯」
子供の虫歯は減少傾向にありますが、乳歯(子供の歯)に限ると虫歯の子供が一定数いるようです。乳歯は永久歯に比べてエナメル質が薄いため、虫歯リスクが高くなります。歯が生え始める乳児期は、上顎の前歯が要注意で、幼児期~学童期は永久歯が生え始め、その形成過程で甘い食べ物などを頻繁に食べることで、前歯の表面が白濁して見える「初期虫歯」が多く発生します。一方、大人が虫歯になりやすい部分は「歯の根元」や「歯と歯の間」「詰め物・被せ物のすき間」の3か所です。特に、歯の根元にできる「歯の根の虫歯」は、進行しやすく、最悪の場合歯を抜くことになってしまいます。予防には歯の根の「象牙質」の露出を防ぐことが重要です。子供の初期虫歯を元の状態にしたり、露出した象牙質の保護には、フッ素湿布が有効とされています。歯を修復する働きがある「再石灰化」を促し、「歯の質」の強化が期待できます。普段からフッ化物配合のハミガキ粉を活用したり、歯科医院で定期的にフッ素湿布の処置を受けることをおすすめします。
歯の健康を失う最大の原因は「歯周病」
近年「歯周病」で歯の健康を失う人が増えてきており、特に高齢者になると、歯周病で抜歯をする比率が高くなっています。歯周病は、歯を支えている歯肉や歯茎、顎の骨が徐々に破壊されていく病気です。適切な治療をせずに放置してしまうと、歯がグラグラになって歯を抜かなくてはならなくなってしまいます。
「歯周病」を予防し歯と身体の健康を保とう
身体の健康のためには生活習慣病・肥満の予防として色々な種類の食べ物をバランスよく食べることが大切です。そして、よく噛んで食べるためには、歯の健康が欠かせません。自分の歯で食事を楽しめるということは、豊かな食生活を約束すると同時に、身体の健康の維持・病気の予防にもつながります。日本では、「80歳で自分の歯を20本以上保つ」だけではなく、「60歳で自分の歯を24本以上保つ」「40歳で自分の歯をすべて保つ」も奨励されています。歳を重ねて歯が抜けるのは老化現象の1つと思われがちですが、歯周病を正しく予防・治療すれば、いくつになっても自分の歯を保つことができます。
歯の健康を保つコツ「歯垢(プラーク)コントロール」
歯周病の原因は「歯垢(プラーク)」です。歯垢とは、歯の表面や歯と歯の間に付着した細菌の塊をさします。歯周病予防には、日ごろからプラークを付きにくくすると共に、歯に付着してしまった歯垢を歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロスなどを使って取り去るようにする必要があります。このような歯垢を減らすことを「プラークコントロール」といい、歯周病予防に最も効果的なセルフケアです。
歯の健康のために自分でできること
- 栄養バランスが良い食事を、規則正しくとることを心がける
- よく噛んで食べる
- 食後20分以内に歯磨きをする
- 虫歯を放置せず、あやしいかな?と思ったらすぐに歯医者さんに行く
- 鏡などを使って自分の歯をよく観察する習慣をもつ
- 歯医者さんで定期的に歯石除去をする
- 歯医者さんで定期的に歯科健診を受ける
歯周病を予防する生活習慣改善のポイント
- 適度な運動をする
- 禁煙する
- ストレス解消をこころがける
- 質のよい睡眠をとる
6か月に1度は歯科医院で「歯科健診」を受けよう
歯の健康のためには、虫歯や口内環境のトラブル防止のために、半年に一度は歯医者さんで歯科健診を受けるようにしましょう。歯や歯茎の状態に応じ、個人の口内環境に合った歯磨き指導を受け、それを日々のセルフケアで継続することが、歯の健康を守る秘訣です。適切な口内の健康管理は、感染症対策にも役立ちます。
〈まとめ〉
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