老後にインプラントをするデメリットは何?メリットもある?

失った歯を補うために、インプラント治療を検討している方はたくさんいらっしゃいます。しかし、なかには「治療後に後悔した」という話を聞いて、本当に治療をしてもいいのか悩んでしまう方もいます。特に歳を重ねてからの治療は、体力的にも不安になってしまうことが多いようです。

本記事では、老後にインプラント治療をするメリット・デメリットについて解説します。どの治療でも、良い点・注意点はあるものです。インプラント治療への理解を深め、治療を受けるかどうか検討しましょう。

老後にインプラント治療をするデメリット

インプラント治療は自由診療のため、年齢を問わず金銭的な負担はかかるものです。一方で、歳を重ねているからこそのデメリットもいくつかあります。

ここからは、老後にインプラント治療をするデメリットをご紹介します。

治療期間が長期化する恐れがある

老後にインプラント治療をするデメリットの一つに、治療期間の長期化が挙げられます。入れ歯やブリッジは2〜3ヶ月程度で治療が済みますが、インプラント治療は簡単なケースでも6ヶ月ほど必要です。治療の難易度が上がれば、治療を終えるまでにそれ以上の期間が必要になることも少なくありません。

特に50代以上になると体の代謝が落ちるため、術後の傷の治りも遅くなります。その結果、埋入したインプラントと骨がしっかり付くまでに時間がかかることもあります。

若い方より細菌感染のリスクが高い

若い方より細菌感染のリスクが高いことも、老後にインプラント治療をするデメリットです。インプラント治療は外科手術が必要なため、手術時に細菌感染のリスクがあります。

しかし、年齢が上がるにつれて体の免疫力は低下します。そのため、高齢になるほど手術のリスクも高くなるのです。

持病や骨の量によっては治療を受けられない場合がある

老後のインプラント治療は、持病や骨の量によって治療を受けられない場合があることもデメリットです。インプラント治療は外科手術が必要といっても、そこまで大掛かりな手術を行うわけではありません。

しかし、体力がない方や生活習慣病がある方、何らかの全身疾患がある方にとっては、大きな負担です。服薬状況によっては、治療のリスクも高まります。そのため、持病の関係でインプラント治療を断られてしまうケースもあります。

また、インプラントは顎の骨に埋め込んで安定させるため、骨の量が少ない方はなかなか安定しません。骨の量が足りない場合は、インプラント治療前に骨を増やすための手術(骨造成)を行わなければならないこともあります。

老後にインプラント治療をするメリット

老後のインプラント治療は、年老いたからこそのデメリットがありますが、メリットもたくさんあります。

ここからは、老後にインプラント治療をするメリットを紹介します。

美しい見た目を保てる

老後にインプラント治療をするメリットは、見た目の美しさを保てることです。歯が少なくなった状態で放っておくと、口元の膨らみが失われて顔貌が崩れてしまいますが、インプラントでしっかり歯を補えば、顔貌をきれいな状態で保てます。

また、入れ歯は樹脂や金属のバネが目立ちやすく、抵抗感を持つ方も多くいます。一方で、インプラントでは金属を顎の骨に埋め込み、見える部分は天然歯に似た白い歯を入れるため、目立つ心配がありません。

さらに、入れ歯は会話や食事のしにくさを感じる方もおり、それがストレスとなる場合も多々あります。独立して安定するインプラントであれば、外れたり噛みにくさを感じたりすることなく会話や食事を楽しめます。

ケアの煩わしさが少ない

ケアの煩わしさが少ないことも、老後にインプラント治療をするメリットです。入れ歯は食べ物がバネや天然歯との隙間に入り込んでしまうことがあり、食後のこまめな手入れが欠かせません。また、清潔さを保つために、取り外して丸洗いする手間もあります。

一方でインプラントは、口腔内に固定されているため、取り外して洗う必要はありません。ご自身の歯と同じように、デンタルフロスや歯ブラシでケアが行えます。歯医者さんでの定期検診は欠かせませんが、日常的なケアは比較的楽に済ませられます。

食べ物をしっかり噛める

老後にインプラント治療をするメリットには、食べ物をしっかり噛めることも挙げられます。インプラントは、状態が良ければ天然歯のような安定感を得られるため、入れ歯では食べにくいと感じるような堅い食べ物もしっかり噛めます。

咀嚼能力を保つことは、全身機能を維持するためにも重要です。食べ物を細かく噛み砕くことで消化器官への負担を減らしたり、栄養を十分に摂取できるようになったりと、多くのメリットがあるためです。

咀嚼機能をしっかり保つことは、体の免疫機能の維持にもつながるのです。

認知症のリスクを下げられる

認知症のリスクを下げられることも、老後にインプラント治療をするメリットの一つです。咀嚼力が低下すると、認知症やアルツハイマー型認知症になるリスクが上がると言われています。口腔機能の低下によって口周りの筋肉がうまく動かせなくなり、言語的コミュニケーション能力が低下するからです。
インプラント治療を受けることは、単に歯を補うことが目的ではなく、口腔機能をより良い状態で保つという重要な役割も果たしているのです。

まとめ

本記事では、老後にインプラント治療をするメリット・デメリットについて解説しました。歳を重ねると、代謝が低下したり、何らかの持病を持ったりする可能性が高いため、外科手術を伴うインプラント治療にはデメリットも生じます。

一方で、口腔機能の維持や認知症リスクの軽減、ケアのしやすさなど、さまざまなメリットがあります。安易に治療を選択せず、メリット・デメリットを正しく理解するために、治療前に歯科医師とよく相談することが大切です。

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