入れ歯にはどのような種類がある?部分入れ歯、総入れ歯の違いは?

入れ歯には様々な種類があります。本記事では、部分入れ歯と総入れ歯それぞれの種類について詳しく解説いたします。

1.部分入れ歯の種類とは?

部分入れ歯の種類は主に以下の4つです。

①保険適用の部分入れ歯

保険適用の部分入れ歯は最も一般的で、金属やレジンで作られます。費用は失った歯の数により異なり、3割負担の場合では5,000円~15,000円程度が一般的です。取り外しも容易で、治療の負担も少ないため、初めて入れ歯を用いる人には適しています。ただし、入れ歯を支えるために必要な金属のバネ部分が目立つ場合があり、また虫歯になりやすいデメリットがあります。

②アタッチメントデンチャー

アタッチメントデンチャーは、金属や磁石・シリコンの装置を使用して義歯を固定します。この装置は目立たず、美観性が高いですが、固定力が弱い場合があります。また、装置のメンテナンスが必要であり、費用も保険適用外となるため、一般的には選ばれにくい選択肢となっています。

③ノンクラスプデンチャー

ノンクラスプデンチャーは、柔軟性のある素材を使用して部分入れ歯を作成します。金属部分がないため見た目が自然で美しいです。また、金属アレルギーの心配もなく、装着感が軽いため快適です。しかし、固定力や耐久性に劣るため、定期的な交換が必要となります。これも保険適用外となります。

④即時義歯

即時義歯は、抜歯したその日に作成し装着する入れ歯です。抜歯後すぐに適用できるため、生活の不自由さを軽減します。しかし、抜歯後の歯茎の変化に対応するための調整が必要で、半年程度で合わなくなることが多いです。そのため、長期的な使用には向いておらず、インプラントや精密義歯を入れるまでの一時的な使用が主です。

これらの部分入れ歯の選択は、患者の健康状態、財政状況、生活スタイルなど、さまざまな要素を考慮して行われます。医師との相談の上、最適な選択を行うことが重要です。

2.総入れ歯の種類とは?

総入れ歯には以下のような種類があります。

①保険診療の全部床義歯

最も一般的な総入れ歯で、レジン(樹脂)で作られます。費用は比較的低く、製作も容易ですが、固定力が弱いため、会話や食事中に外れることがあります。また、違和感が強く、咀嚼力も限られています。

②金属床デンチャー

金属を使った総入れ歯で、食物の熱さが伝わりやすく、強度も高いため長期使用が可能です。しかし、自由診療のため保険診療に比べて費用負担が大きいです。

③精密入れ歯(BPSデンチャー)

高い技術力を必要とするオーダーメイドの精密義歯です。口の形だけでなく筋肉の動きも配慮した作成が行われますが、費用負担が大きいというデメリットがあります。

④インプラント支持デンチャー

顎の骨に人工歯根(インプラント)を埋め込み、それに総入れ歯を固定する方法です。安定感があり、食事や会話がしやすいですが、手術が必要であることや費用が高額になることがデメリットです。

これらの総入れ歯を選ぶ際には、費用、快適さ、耐久性、見た目、日常生活の制限等を考慮し、自分にとって最適なものを選ぶことが重要です。医師との相談を通じて最良の選択を行うことをお勧めします。

3.入れ歯にならないように早めに治療をしよう

歯や歯周病は、放っておくと歯を失う原因となり、結果的に入れ歯が必要になる可能性があります。そのため、入れ歯にならないためにも、早めの治療が非常に重要です。

①正しい口腔ケア

日々の口腔ケアが大切です。歯磨きは1日2回、食後と就寝前に行いましょう。フロスや歯間ブラシを使用して、歯と歯の間に残った食べ残しをきちんと取り除くことも重要です。

②定期的な歯科検診

半年に1回は歯科検診を受けることをお勧めします。初期の虫歯や歯周病は自覚症状がほとんどないため、定期的な検診で早期に発見し、早期治療を行うことが大切です。

③歯周病の予防

歯周病は、成人の歯の喪失の主な原因です。口腔内の清潔さを保つことで予防できます。また、喫煙は歯周病のリスクを高めるため、禁煙も効果的な予防策となります。

④正しい食生活

砂糖の多い食事は虫歯の原因となりますので、バランスの良い食事を心掛けましょう。また、硬い食べ物を食べることで自然に歯を磨く効果もあります。

⑤早期治療

虫歯や歯周病を発見したら、すぐに治療を始めましょう。治療を遅らせると、歯を保存することが難しくなり、入れ歯が必要となる可能性が高まります。

入れ歯は便利な選択肢の一つですが、自分の歯をできるだけ長く保つことが最も理想的です。そのためには、上記の予防策を実践し、早期に治療を始めることが大切です。

まとめ

いかがだったでしょうか?最後に入れ歯の種類についてまとめます。

  1. 各種総入れ歯は特性や利点、欠点を持つ。生活様式や口腔状態に応じた選択が重要である。
  2. 虫歯や歯周病の予防、定期的な歯科検診、口腔ケア、適切な食生活が入れ歯化予防の鍵である。
  3. 総入れ歯には様々な種類があり、それぞれに特性が存在する。選択は患者の生活、予算、口腔の健康に依存する。

ぜひ、入れ歯の種類について理解を深めた上で、治療を行なってください。

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