「炭酸飲料は骨を溶かす」などという話を耳にしたことがあるという方もいらっしゃるのではないでしょうか?結論から申し上げますと、普通に炭酸を飲んでいて歯が溶けるということはありませんのでご安心ください。しかし、火のない所に煙は立たちません。なぜこのような話がよく話題に上がるのかを考えてみましょう。
そもそも、 歯の象牙質と骨の成分は非常によく似ていて、どちらも「リン酸カルシウム」が主成分となっています。「リン酸カルシウム」は酸性度が強いと溶ける性質を持っているため、酸性の炭酸飲料を飲むと「歯や骨が溶ける」と言われるようになったと考えられます。つまり、歯も酸性度が強まれば溶けることがあるということです。


歯は、酸性度がpH5.5以下になった時に溶け始めると言われています。一般的なコーラの酸性度はpH2.2程度なので、歯を溶かす程の強さはありませんが、例えば抜けた歯を長時間コーラの中に浸けておくと徐々に溶け出していきます。炭酸飲料が直接的に歯を溶かす原因になるとは考えにくいですが、摂取量が多かったり、寝る前に飲んで歯磨きをしなかった場合には、歯へダメージを与える可能性は十分に考えられます。


最近では無糖の炭酸飲料なども人気を集めていますが、お子様の場合は糖分がたっぷり含まれた炭酸飲料を飲むことの方が多いのではないでしょうか。完全に禁止しなくてもよいですが、虫歯リスクを軽減するためにも、炭酸飲料の摂取量には気を付けて、飲んだ後はなるべく歯磨きをするよう心掛けましょう。

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