歯科医院で使用する「麻酔」と聞くと、歯肉に打つ注射のようなものをイメージする方も多いのではないでしょうか?歯科医院では、治療に対する痛み・恐怖心・ストレスなどを軽減し、リラックスして治療を受けられるように様々な種類の麻酔を用いています。

「局所麻酔」は、一般的に抜歯や神経処置の際に用いられることが多い麻酔法です。一口に「局所麻酔」と言ってもいくつかの種類に分類され、歯肉に麻酔薬を塗布する「表面麻酔」、部分的に感覚を麻痺させる「浸潤麻酔」、奥歯の治療時などに使用される長時間効果が持続する「伝達麻酔」など、治療内容に合わせた麻酔法を選択します。

「全身麻酔」と聞くと医科の手術を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、歯科でも外科的な手術をする場合や、大掛かりなインプラント埋入手術の際には「全身麻酔」を用いられることがあります。「局所麻酔」と「全身麻酔」とでは、次のような点が大きく異なります。

●局所麻酔は打った部分の感覚が麻痺するのに対して、全身麻酔は意識がなくなる(眠っている間に処置をする)
●全身麻酔の方が局所麻酔よりも麻酔の効果が切れるまでに時間がかかる
●全身麻酔を行うためには専用の設備が必要
●局所麻酔は歯科医師が打ちますが、全身麻酔は麻酔科医が行う必要がある

特に全身麻酔は、専用の設備やシステムを導入する必要があるため、取り入れている歯科医院は限られています。全身麻酔による治療をご希望される場合には、導入している歯科医院へ紹介状を書いてもらうことが必要になるかもしれません。

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