「フッ素」には歯を強化し、虫歯や知覚過敏を予防する効果が期待できます。そのため、フッ素が配合された歯磨き粉を積極的に取り入れていただくよう推奨している歯科医院も多いです。しかしご質問のとおり、ホワイトニング中の方は注意しなければなりません。
フッ素には、食事等によって溶け出したカルシウムやリンなどを再石灰化したり、プラーク(歯垢)が作り出す酸を防ぐ働きがあります。また、歯の表面にあるエナメル質と結合することで歯の強化も期待できます。
しかし、ホワイトニング中はフッ素のこの性質が逆効果になってしまう可能性があります。歯が強化されるということは、ホワイトニングの薬剤が歯の内部にまで浸透しにくくなってしまうということです。つまり、ホワイトニング中にフッ素配合の歯磨き粉を使用していると、ホワイトニングの効果を弱めてしまい、予定していたよりも歯が白くならない可能性が考えられます。
このような理由から、ホワイトニングを行っている最中はフッ素入りの歯磨き粉は避けていただいた方がよいでしょう。なお、「フッ化ナトリウム」であればホワイトニングへの影響が少ないため、ホワイトニング中に使用していただいても問題ありません。ホワイトニングが完了した後は、歯を強化することでホワイトニングの効果の持続性が期待できるため、フッ素配合の歯磨き粉を積極的に使用していただくことをおすすめしております。ホワイトニングを開始する1週間前程度から完了するまでの間だけ、歯磨き粉に配合されている成分に気を配るようにしましょう。

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