本来、口を閉じると舌は上顎にくっついているのが正常な状態ですが、正常な位置よりも低い位置に舌があることを「低位舌(ていいぜつ)」と言います。お子様の口がいつもポカンと開いている・発音や滑舌が悪い・口が渇きやすい(ドライマウス)等、普段の生活で気になることはありませんか?そのような状態が際立つようであれば、「低位舌」である可能性が考えられます。低位舌の場合、舌の側面にビラビラした歯型が見られることが特徴です。
原因は様々ありますが、鼻炎やアレルギーによる鼻詰まり・アデノイド・乳幼児期の指しゃぶりやおしゃぶりの長期化・本来舌の下にあるはずのヒダが舌の先に位置している「舌小帯付着異常」などが考えられます。
成長期のお子様の場合、低位舌によって下の歯を舌で押し出してしまう癖があると、歯並びや噛み合わせにも影響を及ぼします。下の前歯が上の前歯よりも前に出ている状態の「反対咬合」や、歯並びの途中で歯が交叉してしまっている噛み合わせ「交叉咬合」の原因となる可能性があるため注意が必要です。
お子様の低位舌を改善するためには、お口のトレーニングと「マイオブレース」というマウスピース型の装置を活用するという方法があります。選択できる治療方法はお子様の状態によっても異なりますので、お子様に合わせた治療計画を立てるためにも、一度歯科医院を受診してみましょう。低位舌の状態によりますが、お口周りの筋力を鍛えるMFT(口腔筋機能療法)によって、舌を正しい位置に導くことが可能です。

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