ご相談内容

「上前歯の隙間が気になるのと、空気も漏れて発音しづらい」とご相談いただきました。

カウンセリング・診断結果

拝見したところ、上左右の前歯の間に約1mmの隙間が生じている「正中離開」が認められました。

正中離開は、顎の大きさと歯のサイズの不一致が原因で起こることが多い傾向にあります。
見た目の問題に加えて隙間から息が漏れるため、とくにサ行の発音がしにくくなるほか、前歯で食べ物を噛み切るのが困難なケースもあります。
さらに、隙間に食べ物が詰まりやすく磨き残しが生じやすいことから、虫歯のリスクが高まるだけでなく、歯の周りの歯ぐきや歯を支える骨などが溶ける「歯周病」を発症するリスクも懸念されました。

患者様は遠方から来院されているため、長期間かかる矯正治療よりも、短期間で隙間を埋めて歯の形を修正する治療が適していると診断しました。

行ったご提案・治療内容

正中離開が生じている前歯の審美性と機能性を改善するために、以下の自由診療を提案しました。

①隙間を埋めるように作製した白い被せ物を装着する方法
しっかりと歯を覆うため耐久性に優れています。しかし健康な歯を多く削る必要があり、その結果、歯の寿命が短くなる可能性があります。また②③に比べて費用がかかり、来院回数も多くなる傾向です。

②白い陶材「セラミック」の板を歯の表面に貼り付ける「ラミネートベニア」
被せ物に比べて歯を削る量が少なく済みますが、薄い板状のため耐久性が劣ります。

③セラミックと歯科用プラスチック「レジン」を混ぜ合わせた強化プラスチックを接着する「ダイレクトボンディング」
被せ物やラミネートべニアに比べて費用を抑えることができ、1日で治療を完了できます。
また歯を削らずに治療できるため、歯の寿命を縮める心配もありません。
治療範囲が広い場合には適応できないケースもありますが、今回は実施が可能です。

それぞれのメリット・デメリットについて丁寧に説明したところ、患者様は「治療回数や費用をできるだけ抑えながら、歯を長持ちさせる治療がしたい」との理由から、③のダイレクトボンディングを選択されました。

ダイレクトボンディングは、口腔内で直接歯にプラスチックのペーストを詰めてから形を整えて固めます。
そのため、まず上左右の前歯の隙間に接する部分の表面に薬液を塗り、ペーストの接着力を高めました。
その後、患者様の歯の色に合わせて調合したペーストを歯の表面に盛り付け、光を照射して固めています。
最後に歯の形や噛み合わせを確認し、研磨を行ってから治療を終了しました。

この治療のリスクについて

・強い力や衝撃が加わった場合、割れたり欠けたりする可能性があります
・広範囲にわたって修復が必要な場合は、適用できない可能性があります
・自費診療（保険適用外治療）です

• 年齢・性別 50代女性
• 診療種別 自由診療

• 治療期間の目安 -
• 治療回数の目安 1回
• 治療費総額の目安 約20,000円（2ヶ所）

※掲載された情報は治療の効果を保証するものではありません。
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