ご相談内容

「食事中にガリっと音がして、詰め物が欠けたので診てほしい」とご相談いただきました。

カウンセリング・診断結果

拝見したところ、右上奥歯の詰め物「ハイブリッドレジンインレー」の一部が破損していました。
さらに、破損部分には虫歯が再発していました。

ハイブリッドレジンインレーは、白い陶材「セラミック」の粉末を歯科用プラスチックのレジンに配合して作られた混合素材の詰め物です。
セラミックの強度をある程度持ち、通常のレジンより硬いものの、経年劣化しやすく強度も劣るため、硬いものを噛んだ際に破損するリスクがあります。

以上を踏まえ、破損したハイブリッドレジンインレーの除去と、再発した虫歯の治療と修復が必要であると診断しました。

行ったご提案・治療内容

破損したハイブリッドレジンインレーを除去し、虫歯を取り除いたあとは、劣化しにくく、見た目・強度・抗菌性に優れた「セラミックインレー」で修復する方法を提案し、同意いただきました。
また、セラミックの中でもとくに強度が高く、透明感のあるガラス系セラミック「e.maxインレー」を選択しています。

まず麻酔を行い、破損したハイブリッドレジンインレーを取り除いてから、虫歯のみを染める薬液「う蝕検知液」を用いて、取り残しがないよう丁寧に除去しました。
歯の形を整えたあと、削った部分がしみるのを防ぐため、歯の神経に近い組織「象牙質」を保護する「コーティング剤」を塗布しています。

次に、精度の高い詰め物を作製するため、細部まで形態を再現でき変形しにくい「シリコーン印象材」を使用して精密な型取りを行いました。
その後、削った部分に仮の詰め物を装着し、初回の治療を終了しています。

約1週間後、完成したe.maxインレーが歯にぴったりと合っていることを確認し、噛み合わせを丁寧に調整しました。

併せて、詰め物がしっかりと密着するように、以下の前処理を行いました。
・詰め物の接着面：タンパク質を除去し、接着面を加工する「エッチング処理」を行ったあと、無水エタノール液を使用した超音波洗浄
・接着する歯の表面：歯の外側にある層「エナメル質」にエッチング処理を施し、象牙質の表面に薄い膜を作る「ボンディング処理」
※エナメル質と象牙質は組織が異なるため、それぞれに適した表面処理を行います。

最後に、歯とe.maxインレーを耐久性と接着力が高い「レジンセメント」で接着し、噛み合わせに問題がないことを確認してから、すべての治療を終了しました。

この治療のリスクについて

・治療中に痛みを伴う場合があります
・治療後に正しい歯磨きやメンテナンスを怠ると、虫歯が再発する場合があります
・治療後は神経が過敏になっているため、痛みが生じる場合があります
・装着に際し、天然歯を削る必要があります
・硬い素材の場合、他の天然歯を傷つけることがあります
・噛み合わせや歯ぎしりが強い場合、セラミックが割れる可能性があります

• 年齢・性別 50代男性
• 診療種別 自由診療

• 治療期間の目安 約1週間
• 治療回数の目安 2回
• 治療費総額の目安 60,000円
  （e.maxインレー1本）

※掲載された情報は治療の効果を保証するものではありません。
ご利用により万一何らかの損害が発生したとしても、当サイトは一切責任を負いかねますのでご了承ください。