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2024/07/25

60代女性 上顎洞挙上術「オッセオデンシフィケーション」とインプラント埋入を同時に行い欠損部位を補った症例

ご相談内容

「左上の奥歯3本が欠損しているので、インプラント治療でしっかりと噛めるようにしたい」と通院中の患者様よりご相談いただきました。

「インプラント」とは、あごの骨に人工歯根を埋めてその上に歯を装着する治療方法です。

カウンセリング・診断結果

拝見したところ、左上の奥歯3本の欠損部位を部分入れ歯で補っているものの、自分の歯のように自然な噛み心地はなく、食事がしにくい状態でした。

欠損部位のあごの骨の幅は最大で約2mmと通常より薄く、このままインプラントを埋めてもうまく支えられず、安定しない可能性が高いと診断しました。
また欠損部位の近くには鼻の空洞「上顎洞」があります。上顎洞は歯のトラブルが原因で粘膜が厚くなったり炎症が起きたりすることがしばしばあるものの、今回そのような症状は見られません。

インプラントを安全に埋入するためには、上顎洞を上に押し上げてあごの骨の高さや幅を確保する「上顎洞挙上術」を行う必要があり、一般的に「サイナスリフト」もしくは「ソケットリフト」という方法が用いられます。
サイナスリフトは歯ぐきを切開して上顎洞の底の粘膜を剥がし、そのスペースに人工骨を入れて骨を増やす手術方法です。ソケットリフトは歯がもともと生えていた部分に穴を開けて人工骨を入れ、少しずつ上顎洞の粘膜を押し上げて骨を増やす手術方法です。

ソケットリフトのほうが身体的負担が少なく済みますが、今回の場合、ソケットリフトでは十分な骨量を得られないことから、より多くの骨量を確保できるサイナスリフトを行う必要がありました。
しかしサイナスリフトは時間や外科手術の負担が大きいため、患者様は躊躇されていました。

行ったご提案・治療内容

診断結果を踏まえ、欠損部位を補うには、①入れ歯をそのまま使う、②上顎洞挙上術を実施してインプラント治療を行う、この2通りがあることをお伝えしました。
また上顎洞挙上術の方法として、従来のサイナスリフトの他に、上顎洞挙上術「オッセオデンシフィケーション」という新しい方法を提案しました。

「Osseodensification(オッセオデンシフィケーション)」は2014年にDr.Salah Huwaisが提唱した新しい考え方で、これはインプラント部位の骨を高密度化することにより、インプラントが骨にしっかり定着するように促す技術です。
通常、インプラントを埋める際はあごの骨に正回転のドリルで穴を開け、その部分にインプラント本体を埋め込みます。
一方、オッセオデンシフィケーションでは正回転と逆回転(CCW)の2通りのドリリングができる特殊な機械「Densah®️ Bur(デンサーバー)」を用いて穴を開けていきます。
逆回転ドリルをうまく利用することで穴の壁に沿って骨が圧縮され骨密度が高くなり、その結果、あごの骨とインプラントがしっかりと接触するため、骨の量が少なくてもグラグラと揺れずに安定する仕組みです。

この方法であれば上顎洞の粘膜に直接触れることなく手術を行えるため、サイナスリフトと比較して手術時間を短縮し、身体的負担も軽減することができます。
また従来のドリルを使用したときと比べて、インプラントを埋めた直後から高い安定性が期待できるため、全体的な治療期間の短縮にもつながります。

これらの内容を丁寧に説明し、②の治療に同意いただきました。インプラント治療にあたり、欠損部位の奥の親知らずは抜歯が必要なこともお伝えしています。
埋入するインプラントの本数は2本とし、最終的な被せ物に人工歯を1本足して3本分の歯を補う「カンチレバー」も了承いただきました。

手術の際はデンサーバーによるオッセオデンシフィケーションとインプラントの埋入を同時に行い、その後、左上の親知らずを抜歯しました。
インプラントの種類には、メガジェンジャパン社の製品を使用しています。
インプラントを正確に埋めるための補助道具「サージカルガイド」や、傷の治癒促進のための「コラテープ」「テルプラグ」などの材料も併用し、より安全性の高い手術を行いました。

現在はインプラントがあごの骨に十分に定着するのを待っており、今後3本分の人工歯を取り付けて治療を終了する予定です。

この治療のリスクについて

・外科手術のため、術後に痛みや腫れ、違和感を伴います
・メンテナンスを怠ったり、喫煙したりすると、お口の中に大きな悪影響を及ぼし、インプラント周囲炎等にかかる可能性があります
・糖尿病、肝硬変、心臓病などの持病をお持ちの場合、インプラント治療ができない可能性があります
・高血圧、貧血・不整脈などの持病をお持ちの場合、インプラント治療後に治癒不全を招く可能性があります
・自費診療(保険適用外治療)です

  • 年齢・性別 60代女性
  • 診療種別 自由診療
  • 治療期間の目安 4ヶ月
  • 治療回数の目安 -
  • 治療費総額の目安 約1,035,000円
    【内訳】
    インプラント2本埋入、サージカルガイド、オッセオデンフィシケーション2本分、人工歯(予定)

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診療科目 一般歯科(虫歯・歯周病・根管・入れ歯)、小児歯科、予防治療、口腔外科(インプラント)、審美治療(ホワイトニング)
自由診療 口腔外科(インプラント)、審美治療(ホワイトニング)
住所 〒277-0853 千葉県柏市吉野沢2-3 (イオン柏の向い)
アクセス JR常磐線 柏駅
JR常磐線 南柏駅
診療時間 09:30~18:30
土曜:18:00までの診療となります。
休診日:日・祝
休診日 休診日:日・祝
代表者 小澤勇介

※記載の内容は最新の情報と異なる場合がございます。正確な情報は歯科医院にご確認ください。

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