ご相談内容

「学生時代に前歯に虫歯ができて神経の治療をして以降、徐々に色が暗くなってきた」とご相談いただきました。

カウンセリング・診断結果

拝見したところ、左右の前歯（中切歯／1番）は周囲の歯と比べて色が黒ずんでおり、歯の裏側は過去の虫歯治療にて白い歯科用プラスチックを詰める「コンポジットレジン充填」が施されていました。

レントゲン撮影で詳しく確認した結果、左上前歯には虫歯と歯根の細菌を取り除いて清掃する「根管治療」が認められ、神経がない「失活歯」でした。
右上前歯は根管治療は行われていなかったものの、細菌感染により神経が死んで失活歯となったと考えられます。

神経は痛みを感じるほかにも、歯の内部の歯質「象牙質」に栄養を送る働きがあるため、神経を取ったり死んだりすると象牙質に栄養が供給されず、次第に明るさが下がって変色が起こります。
歯の一番外側のエナメル質は半透明のため、変色した象牙質が透けて歯が黒く見えてしまいます。

行ったご提案・治療内容

歯の内部から変色している場合、歯の表面を白くするホワイトニングでは色の改善が期待できないため、失活歯でも審美性を回復できる自費の治療方法2つを提案しました。

1つ目は変色した歯を削り、その上に周囲の歯と馴染む色合いのセラミック製の被せ物「オールセラミッククラウン」を装着する方法で、2つ目は歯の内部に薬剤を入れて漂白する「ウォーキングブリーチ」です。

どちらの方法においても、根管治療をしっかり行った後に治療を進める必要があることも併せてお伝えしています。

患者様は「費用を抑えながら歯も削らずに済むウォーキングブリーチで治療したい。ウォーキングブリーチで満足できる白さにならない場合は、オールセラミッククラウンにしたい」とご希望され、まずはウォーキングブリーチでの治療になりました。

最初に、前歯2本に装着されていたコンポジットレジンや虫歯を取り除いてから根管治療を行い、歯の内部が綺麗になったことを確認してから、薬剤で根管を密閉する「根管充填」にて再度感染しないように処置しました。

次に、根管充填で薬剤を詰めたところよりも上の部分にウォーキングブリーチ用の薬剤を入れ漂白を開始し、2週間ごと合計4回にわたり薬剤を交換しました。
ただし、3回目以降は歯の色に変化が見られなくなったことから、これ以上の白さは見込めないと判断しウォーキングブリーチを終了しました。

最後に薬剤を入れていた歯の内部と裏側の穴にコンポジットレジン充填を行い、歯の形を整えました。

術後の経過・現在のご様子

前歯2本はしっかり白くなり、口元の印象も明るくなりました。
患者様には「自分が思っていた以上に歯が白くなり、笑顔に自信が持てるようになった」と大変お喜びいただいています。

現在は定期的なメンテナンスで来院いただき、ケアを継続しています。

この治療のリスクについて

・根管治療に関しては、治療中や治療後に不快症状が出たり、治療後に痛みや腫れなどが生じたりする可能性があります
・ウォーキングブリーチで得られる効果は歯の質により様々です。予定通りの白さに達しない場合もあります
・コンポジットレジン充填は強い力や衝撃が加わった場合、割れたり欠けたりする可能性があります
・広範囲にわたって修復が必要な場合は、コンポジットレジン充填が適用できない可能性があります
・ウォーキングブリーチは歯の色が元に戻る可能性があります
・ウォーキングブリーチを繰り返すと、歯根の表面が溶ける「外部吸収」が起こる場合があります

• 年齢・性別 30代女性
• 診療種別 自由診療
  一部保険診療

• 治療期間の目安 2ヶ月
• 治療回数の目安 -
• 治療費総額の目安 40,000円

※掲載された情報は治療の効果を保証するものではありません。
ご利用により万一何らかの損害が発生したとしても、当サイトは一切責任を負いかねますのでご了承ください。

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  医療法人よつば徳祐会 松井歯科

  TEL:0722572418

  
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