ご相談内容

「10数年前に治療した上の前歯の被せ物の色と形をきれいに作り替えたい」とご相談をいただきました。

カウンセリング・診断結果

患者様から、上の前歯4本（右側切歯／2番～左側切歯／2番）に対して以下のような悩みがあるとお伺いしました。
・色が周りの天然歯と合っていない
・全体的に歯が小さく、笑ったときに上唇で隠れてしまい歯が見えない
・歯の先端が直線的で、丸みがなく不自然
・右の前歯（中切歯／1番・側切歯／2番）および左の前歯（中切歯／1番・側切歯／2番）の間の歯茎が下がってしまい、歯と歯の間に隙間ができている
・左右の前歯2本（側切歯／2番）が分厚く、長さも短い

上記のお悩みを伺った後でお口の中を拝見したところ、真ん中の前歯2本（左右中切歯／1番）は白い被せ物がされており、長さや形は問題はありませんでしたが、色に関しては光沢が失われていて周りの歯と差異がありました。
その隣の前歯2本（左右側切歯／2番）は、歯の表面を削りセラミックの薄い素材を歯に貼り付けて歯並びをきれいにする「ラミネートべニア」で治療しており、歯の幅が大きく、長さも平均よりやや短めでした。更に、ご自身の歯と貼り付けたセラミックの間に着色も見られました。

口腔内の検査とレントゲンからは、虫歯や歯周病などの問題は認められず、前歯と口元との調和に関しても特に問題はなかったため、見た目を整えることでお悩みを改善できると考えました。

行ったご提案・治療内容

お悩みがあった上の前歯4本全てを、自然な白さで耐久性もある「ジルコニアクラウン」で被せ直す治療をご提案しました。

真ん中の前歯2本は被せ物を作り直すことで形や色を美しく整えられること、その隣の前歯2本はラミネートベニアから被せ物に作り替えることでより強度が高くなることをご説明し、同意いただきました。

患者様は見た目の改善を強く望んでおられたので、いきなり治療に入るのではなく、まずは歯科医側の診断結果と患者様が求める美しさや被せ物の形のイメージを共有する必要性を感じました。
そこで「歯科用ワックス」と呼ばれるロウのような材料を用いて、治療後の最終的な被せ物の形や位置関係、噛み合わせなどをシミュレーションできる「診断用ワックスアップ」を行い、綿密に相談しながら治療を進めました。

治療する4本の歯は神経が残っていたため、治療後に痛みが出ないよう、削る量を最小限にして細心の注意を払いながら治療を行いました。
その後歯科用ワックスで作った「ワックスアップ模型」を元に仮歯を作製し、実際に患者様のお口の中に装着して、患者様の求めている見た目と違いがないことを確認してから、最終的な被せ物を作製しました。

術後の経過・現在のご様子

上の前歯が周りの歯や歯茎に馴染み、自然で美しい仕上がりとなりました。
患者様に、完成した被せ物を鏡で確認してもらったところ「すごくきれい、大満足です！」と大変嬉しいお言葉をいただきました。
治療後に神経の痛みが出ることもなく、経過は良好です。

この治療のリスクについて

・神経が残っている歯の場合は、一定期間痛みが生じる可能性があります。
・ジルコニアクラウンは強度が非常に高い素材ですが、強い衝撃で欠ける可能性があります。
・ジルコニアクラウンは基本的には非常に虫歯になりにくい素材ですが、メンテナンスを怠り、お口の中の衛生状態が悪いと長持ちしない可能性があります。

• 年齢・性別 50代女性
• 診療種別 自由診療

• 治療期間の目安 約2ヶ月
• 治療回数の目安 -
• 治療費総額の目安 680,000円
  170,000円×4歯分
  

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