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MDRT会員FPが解説!歯科医院の資金繰りを楽にする3つのポイント
こんにちは。
ファイナンシャルプランナー高野将史です。
歯科医院の「お金」に関する課題解決をメインに扱い、特に「より利益を残す方法」「人件費の適正化」「内部留保と節税策」「事業承継」などの問題解決をしております。
今回は歯科医院の「資金繰り」に関するお役立ち情報をお届け致します!
歯科医院の経営において、注意する必要がある点の1つが「入金よりも支払いが先になる」ということです。
これには構造的な原因があります。
社会保険診療の場合、患者様から窓口で3割負担分の現金をお支払い頂きます。
残り7割の保険料報酬分については、翌月レセプトを集計し支払基金へ請求し、2ヶ月後に現金として入金します。
しかし、医業収益の計上は患者様から3割のお支払いを頂いた時点で100%計上しなければなりません。
例えば、1月治療分の社会保険診療は翌月2月初旬に纏めて支払基金に請求します。
実際に入金されるのが3月末だとしても、あくまで1月の医業収益としてその年の決算書(個人事業主の場合は確定申告書)に計上されてしまうのです。
このように歯科医院では医業収益の計上時期と実際に現金が入金される時期が異なります。
また、歯科衛生士や医療事務の方々への人件費、歯科用材料や医薬品などの仕入れや歯科技工所への支払いなどは、納品1ヶ月後と診療報酬の入金よりも先にしなければなりません。
それとは別に毎月の家賃や光熱費、開業時銀行借入の元本返済等は毎月支払う必要があります。
このように歯科医院は入金より出金が先行するため、資金繰りをしっかりと管理しなければなりません。
特に高齢者の患者様の割合が大きい歯科医院であれば、自己負担分は1割、または2割となります。
それだけあとから入金される金額の割合も高まることを意味します。たとえ決算書上では黒字だとしても、手元資金が苦しくなってしまう場合があります。そのような状態が続くと、最悪の場合黒字倒産ということにも繋がりかねません。
そうならないためにも、資金繰りの管理だけでなく、資金繰りを良くする経営を目指していく必要があります。
資金繰りを良くする経営のポイント
資金繰りを良くする経営のポイントは3つありますので、順番にご説明していきます。
1.資金繰り表の作成
上記でもあったように、損益計算書や貸借対照表といった会計上の帳簿と、実際のキャッシュの動きは基本的にズレることになります。
事業の「資金繰り」という点では、あくまでもキャッシュの動きを中心に計算することが重要です。
実際のキャッシュの動きを追うことで、現在手元にいくらお金があるかを把握しやすくなりますし、短期的な資金繰りの改善だけでなく、長期的に「何のためにいくらのお金を貯めるか」や「何のためにいくらのお金を資本投下するか」等の資金計画も立てやすくなります。
2.銀行借入の適正化
歯科医院の経営において、開業時には多額の「設備投資」が必要となります。
銀行借入をしている歯科医院も多いと思います。
また上記のような入金よりも出金のほうが早いビジネスモデルのために、「運転資金」を銀行借入している歯科医院もあります。
「設備資金融資」も「運転資金融資」どちらも長期借入金として5年7年10年という借入期間で、月々元本返済する形で借入をしている場合がほとんどです。
しかし、借入目的に合わせた借入に適正化すると、「元本返済が必要ない借入」や「設備の耐用年数に合わせたより長期の借入」や「複数の借入をまとめる」ことも可能です。
そうすることで、月々の元本返済が大幅に下がり資金繰りが楽になります。
3.設備投資の適正化
歯科医院経営の中でも、設備投資は非常に重要なテーマです。
人材雇用の費用、建替えやリニューアル、最新機器の導入、車両の購入等、多額の資金を必要とするものから、院内掲示の見直しや模様替え等少額な資金で済むものまで、多様なケースが存在します。
資金繰りを無視して過剰な設備投資を行うと、当然経営が危うくなります。
一方、将来への不安から過剰な守りに入り、設備投資を全く行わないと継続的に設備投資を行っている近隣歯科医院に差をつけられてしまいます。
資金繰りを考慮しながら、銀行借入等の外部資金をうまく活用し、毎年継続的に効率的な設備投資を行うことが大切です。
誰のために、何のために歯科医院を開かれたのか、きっと皆様目的や想いは必ずあるはずです。
その想いの実現に対して、経営者としてお金の問題と向き合うことは必要不可欠です。
お金の問題の中でも、「資金繰りを良くする」ことは安定経営のために必要不可欠となります。
安定経営を土台として、付加価値を高め、差別化をし、患者様から選ばれる歯科医院になり続けていきましょう。
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