インビザライン矯正にも「ゴムかけ」があるって知っていますか?

マウスピースを使って矯正を行う「インビザライン」目立ちにくい矯正方法として、近年選択する人が増えているようです。そのインビザライン矯正においても「ゴムかけ」をすることがあるとご存知ですか?インビザラインとゴムかけについてについてお調べしました。

インビザライン矯正の「ゴムかけ」とは?

インビザライン矯正において、患者さんのそれぞれのケースによって、「エラスティックゴム」や「顎間(がっかん)ゴム」と呼ばれる歯科医療専用の小さな輪ゴムを上下の歯に装着することがあります。ゴムの引っ張る力と戻る力を利用して、歯を上下に動かしたり、前後に動かしたりして噛み合わせを整える矯正方法です。「ゴムかけ」はある程度歯並びを整えて見た目がキレイになっていたとしても、「噛み合わせ」を正しくするために用いられます。ゴムには直径や硬さ、太さなどの形状によって効果が違い、太くて硬いものほど矯正力が高くなります。

インビザラインのゴムかけの種類について

ゴムのかけ方によって矯正効果は異なり、以下のような方法があります。

2級ゴム

2級ゴムは、主に「出っ歯(上顎の前歯の先端部、あるいは上顎の前歯全体が突出している状態)」の改善を目的に使用します。上の歯を後ろへ移動させ、下の奥歯を前に移動させます。そのため、上顎の前から3番目の歯と、下顎の前から6番目の奥歯にゴムをかけることが一般的です。

3級ゴム

3級ゴムは、主に「受け口(上下の噛み合わせが逆になってしまっている状態)」の改善のために用いられます。上の歯を前へ移動させ、下の奥歯を後ろに移動させるため、上顎の前から6番目の歯と、下顎の前から3番目の歯にゴムをかけることが多いようです。

垂直ゴム

垂直ゴムとは、「開咬:かいこう(上下の前歯の間に隙間ができている症状)」の改善のために使用します。歯を縦に引っ張り合うようにするために、上下の歯に垂直にゴムをかけるようにします。

交叉ゴム

交叉ゴムとは、「交叉咬合:こうさこうごう(上の歯が下の歯に被さるのが一般的に言われる正常な歯並びですが、歯並びの途中で交叉してしまっている状態)」の改善を目的に使用されます。上と下の同じ歯に、噛み合わせをまたぐように表と裏にゴムをかけるので、奥歯の場合は対応が難しい場合があるようです。

インビザライン矯正の「ゴムかけ」はいつから?

ゴムかけのタイミングは、患者さんの個人差が大きいので、「いつから」とはっきり言うのは難しいようです。一般的には、矯正の中盤から後半にかけて行われることが多く、担当の矯正医師の判断になりますので、「ゴムかけが必要です」と言われるまで、指示に従うようにして下さい。

「ゴムかけ」が始まったらいつもつけるのでしょうか?

 ゴムかけが始まった場合、インビザライン矯正のマウスピースを装着している時は常時、ゴムも装着する必要があります。ゴムは使い捨てにし、最低でも1日1回は必ず交換するようにしましょう。また、マウスピースと同様に、食事やおやつ、歯磨きの時はゴムを外しますが、1度使用したゴムは劣化するため、一度ゴムを外したら新しいものに交換するようにしましょう。

インビザラインのゴムかけ方法

ゴムかけが始まると、歯の表面に「ボタン」と呼ばれる装置をつけます。上の歯のボタンにゴムをかけ、端を引っ張って反対側の下の歯のボタンにかけます。ボタンはフックがついている「金属製のもの」や白い「樹脂のもの」があり、歯を動かす方向によって医師が選定します。手でゴムをかけることがやりづらい場合は、「ホルダー」と呼ばれる道具を使うとスムーズにできます。万が一、ゴムの力でボタンが取れてしまった場合は歯科医院に連絡し、なるべく早めに対処してもらいましょう。

「ゴムかけ」で大切なこと

ゴムかけはインビザライン矯正の中で、美しい歯並びのために大切なステップの1つです。理想の歯並びに近づけるために大切なことは以下になります。

指示された「装着期間」や「装着時間」を必ず守りましょう

ゴムかけは、歯科医師に指示された装着期間・時間をきちんと守るようにしましょう。マウスピースを装着している時は常にゴムをかけておきます。慣れるまでは、やりづらかったり、違和感を感じることがあるかもしれませんが、数週間で慣れる方が多いようです。素敵な笑顔のために、指示された期間・時間の通りにつけましょう。

鏡を見ながら、ボタンの位置・角度を確認しながら装着しましょう

ゴムかけが必要な場所にはインビザラインのマウスピースには切り込みが入っているので、ゴムをかける位置はわかりやすいです。慣れるまでは、かけづらかったり、外れやすかったりすることもあるので、鏡を見ながら、ボタンを確認しながらゴムをかけると良いでしょう。ボタンの角度などが変わってしまったかなと感じる場合は、早めに歯科医院に連絡をして対処してもらいましょう。

ゴムは使い捨てにし、最低でも1日1回は交換する

使用するゴムは歯科治療専用のもので、強度はありますが、口を大きく開けたり閉じたりすると伸びてしまいます。伸びたゴムは力が低下するので、必ず1日1回は交換するようにしましょう。ついつい、変えるのを忘れてしまうという場合は、食事の度に新しいゴムに交換する習慣を身に着けることをおすすめします。

お出かけの際など、ゴムの予備を携帯しておく

口を大きく開けて笑ったり、大きなあくびをしてゴムが切れてしまうことは珍しいことではありません。外出をする際は万が一に対応できるよう、ゴムの予備を携帯するようにしましょう。ゴムは歯科医師にお願いして多めにもらっておくことをおすすめします。

【まとめ】

ゴムかけはマウスピースを装着している時間に同様に装着する必要があり、サボってしまうと矯正仕上がりに悪影響を及ぼしてしまうことがあります。慣れるまでは面倒に思うこともあるかもしれませんが、素敵な笑顔を手に入れるまで、歯科医師に指示された期間や時間は必ず守りがんばりましょう!

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